退職した後は
退職後は健康保険組合の資格を失い、その後はそれぞれの状況に応じた医療保険に加入することになります。
- POINT
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- 退職後はすぐに保険証を事業所に返納してください。
- 一定の条件を満たしていれば、引き続き当組合に加入できるしくみがあります。
- 被保険者資格を失ったあとでも、給付を受けられる場合があります。
退職して被保険者の資格を失ったときは、5日以内に保険証を勤めていた事業所に返納してください。その後は、それぞれの状況に応じた医療保険に加入することになります。
マイナ保険証の利用登録を行っている場合、転職や退職等に伴うマイナ保険証利用の再登録は必要ありません。ただし、保険者(健康保険組合、共済組合等。国民健康保険に加入の方はお住まいの自治体)への届け出は、引き続き必要です。
※マイナ保険証に最新の資格情報が表示されない場合は、加入中の保険者へご確認ください。
退職後に加入する医療保険
引き続き当組合に加入する場合
退職するとその翌日に当組合の被保険者資格を失います(資格喪失)が、一定の条件を満たしていれば、継続して当組合の被保険者になる事ができます。個人が任意で加入することとなりますので、届出・保険料の納付などの義務を加入者自ら行なう事になります。これを「任意継続被保険者制度」といいます。
任意継続被保険者の資格要件
次の要件を満たしていることが必要です。
- 退職などにより当組合の被保険者資格を失った方
- 75歳未満の方
- 資格喪失日(退職日の翌日)の前日まで継続して2ヵ月以上被保険者であった方
- 資格喪失日(退職日の翌日)より20日以内に任意継続被保険者となることの申請をされた方
任意継続被保険者の期間
任意継続被保険者となった日から最長2年間です。
但し、次の「任意継続被保険者の資格を失うとき」に該当した場合を除きます。
任意継続被保険者の資格を失うとき
次の事由に該当した場合は、該当するに至った日の翌日(4、5の場合はその日)に任意継続被保険者の資格を失います。
- 任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過したとき
- 死亡したとき
- 保険料を指定された納付期日までに納めないとき
- 再就職して他の健康保険の被保険者となったとき
- 後期高齢者医療制度の被保険者等となったとき
- 任意継続被保険者でなくなることを申し出た場合、その申し出が受理された日の属する月の末日が到来したとき
保険給付の内容
任意継続被保険者には出産手当金と傷病手当金は支給されません。それ以外は法定給付・付加給付ともに在職中と同様に支給されます。
- ※在職中に発生した事由にもとづく「退職したあとの給付」に該当する場合は、出産手当金と傷病手当金は支給されます。
任意継続被保険者の保険料
退職したときの標準報酬月額に当組合の保険料率をかけた金額が、月額の保険料となります。在職中の保険料は事業主負担分がありましたが、退職後は全額自己負担となります。また、40歳以上65歳未満の方は介護保険料についても同様で全額自己負担となります。
保険料の前納
2回目以降の保険料をあらかじめ一括してお支払いいただくことが可能です。一括支払いされますと、前納期間に応じて保険料が割引になります。一括支払いが可能な前納期間は半年、または1年です。(資格取得時は、資格取得月の翌月から9月または次の3月まで。)
任意継続被保険者の前納(月納)シミュレーション
任意継続被保険者の保険料は、下記の「任意継続被保険者の前納(月納)シミュレーション」をご活用ください。
保険料の納付期限
- 資格取得時
初回保険料の納付期限は当組合が指定した日 - 2回目以降
毎月納付の保険料は、各月10日 - 前納制度を利用するとき
前納期間が始まる月の前月末日
※納付期限が土・日・祝日の場合はその翌営業日
◎任意継続被保険者のお手続き
退職後の健康保険は「国民健康保険」、「ご家族の健康保険(被扶養者)」、「健康保険任意継続」の3つの選択肢があります。事前に保険料額などを比較検討のうえお手続きください。
国民健康保険について
国民健康保険は倒産・解雇、雇い止めなどにより離職された方については国民健康保険料の軽減措置が適用され、当組合の任意継続被保険者の保険料額より低くなる可能性があります。任意継続の申請にあたっては、あらかじめお住まいの市区町村にて国民健康保険料額をご確認のうえご判断ください。
資格取得申請手続きの流れ
退職した後も給付を受けられます
退職前に継続して1年以上被保険者期間があった人は、資格喪失後も、傷病手当金、出産育児一時金、出産手当金、埋葬料(費)を受けられる場合があります。
退職したあとの給付(本人のみ。被扶養者への給付はありません)
傷病手当金
資格喪失日の前日(退職日等)までに被保険者資格期間が継続して1年以上あり、資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けている方および受けられる状態で支給の条件を満たしている方は、資格喪失後も継続的に医師が認める労務不能状態であれば引き続き支給を受けることができます。
ただし、仕事に就くことができる状態になった場合には、傷病手当金継続給付は終了となります。
支給の条件 | 退職時に傷病手当金を受給中で、引きつづきその病気やケガの療養のために働けない場合 |
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支給される期間 | 働くことが出来ず休んだ日について支給開始日から通算して1年6ヵ月間に達するまで
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- 参考リンク
支給の条件 | 退職時に出産手当金を受給中または受給要件を満たしている場合 |
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支給される期間 | 出産手当金の受給期間満了まで |
- 参考リンク
支給の条件 | 資格喪失後6ヵ月以内に出産した場合 |
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- 参考リンク
支給の条件 |
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- 参考リンク
退職後や被扶養者でなくなった後に保険証を使ってしまった場合
被保険者が退職したときや家族が被扶養者でなくなったときは、早急に保険証をご返却ください。資格がなくなった日以降、保険証は使用できません。万が一、保険証を使用した場合は『無資格受診』となり、当組合が負担した医療費等を返還していただくことになります。
- ※資格喪失日とは、退職した日の翌日のことを言います。会社(事業主)から提出された「資格喪失届」に基づいていますので、資格喪失日について確認が必要な場合は、勤務されていた会社へ直接お問合せください。
無資格受診とは…(例)
- 転職したが転職先の保険証の交付が遅かったので、返却せずに持っていた当組合の保険証を使用してしまった。
- 扶養基準の範囲を超える収入があったが、扶養削除の届出をせずに当組合の保険証を使用し続けてしまった。
- 転職したが通院中の医療機関だったので、転職して保険証が変わった旨を申し出なかった。
- 退職したが国民健康保険の手続きをする前に、当組合の保険証を使用してしまった。
- 子どもが就職したが扶養削除の届出をするのが遅くなり、その間に誤って当組合の保険証を使用してしまった。
- 国民健康保険にさかのぼって加入した(さかのぼりの期間は無資格受診となります)。
- パート先で別の健康保険に加入したが、当組合からの健康診断のお知らせが届いていたので、そのまま健康診断を受けてしまった。
- 扶養基準の範囲を超える収入があり、さかのぼって扶養削除となったが、その間にインフルエンザ予防接種の補助を受けていた。
上記は全て無資格受診となり、当組合の給付を受けていることから不当利得にあたります。
不当利得は当組合に返還していただきます。
不当利得の返還とは…
- 民法第703条(不当利得の返還義務)
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人の損失を及ぼした者は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。 - 健康保険法第58条(不正利得の徴収等)
偽りその他不正の行為によって保険給付を受けた者があるときは、保険者はその者からその給付の価額の全部又は一部を徴収することができる。
返還の流れ
医療機関等を受診する際、窓口で保険証等を提示することにより自己負担額は3割または2割となり、残りの7割または8割は、当組合が医療機関等へ支払っています。
このため、無資格受診により不当利得が判明した場合、当組合が負担した7割または8割を返還していただくことになります。
医療費の返還について
- 資格喪失後の受診が判明した場合、当組合から被保険者様宛に「無資格受診にかかる医療費等の返還について」、「納付書」、「診療報酬明細書(写)等交付願」を送付いたします。
(該当者が被扶養者の方であっても、被保険者様宛に送付いたします。) - 当組合から送付された「納付書」を使用し、納付期限までに金融機関の窓口でお振込みください。
※振込時の「領収証書」は再発行できませんので、必ず大切に保管してください。 - お振込み後、「診療報酬明細書(写)等交付願」と受診時に加入の健康保険証の写しまたは資格証明書を添付し、当組合に送付してください。「診療報酬明細書(写)等」を書留郵便にて送付いたします。
- 受診時に加入の健保組合等へ療養費の申請をしてください。その際に、「領収証書」と「診療報酬明細書(写)等」が必要となります。(申請方法は健保組合によって異なりますので、事前にご確認ください。)
- 受診時に加入の健保組合等から、医療費が返還されます。
療養費の申請の時効について
療養費の申請は、療養を受けた日(療養に要した費用を医療機関等に支払った日)の翌日から2年で時効となります。早めのお手続きをお願いします。
保険証は正しく使いましょう
保険証が変更になった場合は、受診時に医療機関等へその旨を必ず伝えてください。月の途中で保険証が変更になった場合も同様です。
新しい保険証の手続き中または交付前に医療機関等を受診されたい場合は、事前に医療機関等にその旨をご相談ください。
なお、退職後は速やかに勤務先へ保険証を返却してください。所持していても使用できません。
被扶養者の方も同様となりますので、速やかにご返却いただきますようお願いいたします。